健康・医療情報:医師の説明理解、半数「難しい」 日本、欧米に比べ--ネット調査

 適切な健康・医療情報を入手し、活用する能力(ヘルス・リテラシー)について、日本は欧州に比べ低いことが、聖路加国際大の中山和弘教授(看護情報学)の調査で分かった。
調査に協力した日本人の8割以上がヘルス・リテラシーが足りないと判定された。

 欧州の複数の大学や研究機関はヘルス・リテラシーを、「簡単」「難しい」など5段階で評価する47項目の質問票を開発。
2012年、オランダやドイツなど8カ国の計約8100人を対象にした面談調査を公表した。

 中山教授は質問票を和訳し、調査会社に登録する20~69歳の1054人を対象に、インターネットで調査した。
例えば、半数近い日本人が、医師の説明を理解することに「やや難しい」「とても難しい」と回答したが、
欧州では15%にとどまった。
メディアで流れる健康リスクに関する情報の判断も、「やや難しい」「とても難しい」と答えた日本人は3分の2に達した。
回答を数値化した総合評価では、ヘルス・リテラシーが「不足」「問題あり」と分類された人の割合は85・4%で、欧州平均の47・6%の約1・8倍も高かった。

 中山教授は「市民が主体的に学び合う場や、専門家から情報を得て行動に移す環境の整備が重要だ」と話す。【八田浩輔】

毎日新聞社 2014年11月18日(火)